のんびり自分のオカルト体験書いとく74

◆石切りの太刀

大阪にある石切劔箭神社(いしきりつるぎじんじゃ)に参拝した時のこと。
ここの神社には、神社にしては珍しく宝物殿があったので参拝のついでに寄ったところ。
ご神刀として展示してあった『石切りの太刀』と呼ばれる大きな刀を拝見してみたら、刀のオーラに沿って黒い丸(おはぎサイズ)がぽつぽつと憑いていた。それは、人を切った事がある刀を見た時に、よく目にする現象やった。
刀で切られた人の強い残留思念が丸くなり、刀のオーラに沿って乗っているのが見えているのである。おはぎ大サイズの黒い二つの丸は、この刀を使って誰かが二人切ったと言外に伝えているようにも思えた。
刀の説明文には、一時期このご神刀が行方不明になっていた事が書いてあり、更に元はもっと大きな刀だった旨も記載されていた。
それは、つまりご神刀を使って何者かが誰かを斬った際に発生した刃こぼれなり、刀についた傷を隠すために、ご神刀を誰かに磨り(すり)上げさせて、わざと刀を短くした上に磨り上げさせている期間、ご神刀が行方不明になったと言い訳して信じて貰える立場の人間がそれをしたという事なんよなあ~もう今となっては、誰かは解からへんけどかつての神主さんか、それに近い役職の人やったんやろなあ。
何にせよ、どういった理由で人を切らねばならなかったのか?それはもう分からへんけど、刀の在り様は嘘をつく事無く、かつてあった凶事を今も静かに訴えかけてきてる。

 

◆聖剣エクスカリバー

イギリスに伝わるアーサー王伝説に登場する剣の名前が聖剣エクスカリバーなんやけど。

 

いやー自分、実はアーサー王になる予定やったんやけどさ。

ワイが弥勒菩薩の時にユーピテルからの求婚を断ったせいで彼から逆恨みされてな、ずっとユーピテルから絶え間なく人間に転生させられ続ける虐待を受けとったんよ。

しかも、各人生ごとに神々からの執拗な嫌がらせと虐待を受ける日々やったわ。

アーサー王になる人生も、他人に取られてしもうてな。その上、アーサー王に一介の騎士として仕える人生を生きるように仕向けられたんや。


で、その昔、湖のそばにあった岩に剣の根元近くまで深く突き刺さってた剣があったんやけど。それが、聖剣エクスカリバーやったわ。それを魔術師マーリンの護衛をしながら周囲を警戒していた俺が「アーサー王が来たら、この剣を抜くんだよなあ?こんなの、抜けるのか?」そう思いながら、剣の柄を握って抜いたら抜けてしまったんよ。

物って、素直よな。一体、誰が本当の主かちゃんと判るし忖度とか一切せえへんの。すごいよな。


エクスカリバーをうっかり引き抜いた俺は、慌ててマーリンに「マーリン、エクスカリバーが抜けたんだけど、どうしたら、あっそうか!もう一度、刺し直したらいいのか!」彼に相談しつつ、閃きと共に岩に剣を刺し直そうとしたら「まて!剣は刺し直すな。儂が中古で良さげな剣を買ってくるから、待っていろ」そう言われて、ひどく驚いた上に、本当にマーリンが新古品の剣を一振り買って来たので、その剣を岩に刺して何とかエクスカリバーは抜けたけど抜けてないという体裁を保ち、結局、自分がマーリンを護って亡くなるまで本当のエクスカリバーは俺の大切なパートナーとして、ずっとそばに居てくれた。ちなみに、聖杯も俺を認めて最期、自分がマーリンを護る過程で亡くなるまでそばに居てくれたわ。


伝説とは違い、エクスカリバーイングランドの王として認められたのは自分ではあったけれど、自分は王として君臨も統治もしなかったというお話し。


ただ、マーリンが俺の名前をたくさんあった「アーサー王伝説」から全て消してしまったので、自分の名前は生憎と後世には残っていない。これについては今生、マーリンを呼んだら本人が来たので聞いたらマーリン自身が全て消したと言われたよ。
あの当時、マーリンの護衛をしながらも、俺はマーリンが施した魔術の邪魔をうっかりしたと、わりと本気でマーリンに口角泡を飛ばす勢いで怒られたりしてたからな~マーリンなりの意趣返しだろうと思う。

 

沖田総司の刀

皆さん、幕末に新選組の一員として活躍した沖田総司をご存じかな?
ある日、新選組の隊員と愛用の刀をセットで紹介している本を読んでたら、ちょうど沖田総司の項目で思わず「沖田総司の刀は加州清光かあ」声に出していた。すると、一振りの刀の幽霊が自分の左側に急に現れた。
全身灰色で死霊としての刀は初めて見たな~そう思っていたら刀が「沖田総司加州清光です」更には「安定をお願いします」それだけ言って、ふわりと消えてしまった。
刀は、先端部分の〝ふくら”が顔で〝横手”と呼ばれる筋が入っている部分が口らしく背側ではなく、よく砥がれた刃(やいば)側をこちらに向けて喋ってくる。この夜も、刃(やいば)を向けられながらしゃべり始めたのでちょっと怖いな~そう思いながら聞いた。
あと、刀は喋れるけど元人間でも何でもないので大体、舌ったらずで何を伝えたいのかよく考えないといけない。私は加州清光が同じく沖田総司に使われていた「大和守安定(やまとのかみやすさだ)」の魂を探しているんじゃないかと見当をつけた。
早速、瞑想をして意識を日本全体に広げ「沖田総司の大和守安定」と心から呼び掛けてみるが反応が無いので、どうやら刀自体はその生を終えているらしい。
仕方が無いので、自分は幕末期に亡くなった人たちの未浄化霊たちが眠る死者の階層へと意識を落とした。青黒い夜に煌々とした満月が灯る、京都の街に自分は立っていた。そこには、京都の道いっぱいに志に敗れた侍達の魂が折り重なり眠っていた。
そこで、「沖田総司の大和守安定はいるかい?」声をかけたら、なんとなく山積みされた武士たちの魂の下から反応がする。折り重なった武士を一人一人のけて行くと、そこに一振りの刀の死霊を発見した。
「や。こんな所に居た。私は高杉晋作、君は沖田総司の刀の大和守安定だね。君の相棒である加州清光が君の魂を探していたから、迎えに来たよ」自分はかつての前世での名前を名乗り、大和守安定を未だ眠れる魂の間から引き抜いて浄霊した。
その日の夜、夢を見た。暖かな草原みたいな場所で、沖田総司が二振りの刀をそれぞれ手に持ちキラキラとした陽光がはじける光の中に佇んでいる。どうやら、加州清光は大和守安定が浄霊されて天に昇った事が解かったらしい。未だに天に昇らずにいた大和守安定を心配して、きちんと解決できる人に頼んでくるとか、めちゃくちゃ人間に対して見る目がある加州清光の刀もある意味凄すぎる。刀、侮りがたし。

 

◆にっかり青江

にっかり青江について知らへん人に説明すると、にっかり笑う女の幽霊を切った事から、この名前が付いた刀の事なんよ。
ある日の夜、自分は有名な日本刀のフルカラー冊子を読みながら『にっかり青江か~』などと思いながら本を読んでいたら、ふいに自分の左側に刀の生霊がやってきた。
勿論、沖田総司の項目で説明した通り刃(やいば)をこちらに向けた状態で〝横手”あたりから、声が頭に響いてきた。『私は にっかり青江です。あなたをお守りします』それだけ伝えて、すうっとにっかり青江の生霊は消えた。
え、ま護る?守る?えええ、女性が人生で言われたい台詞をあっさりと言われた!?ええええ。これは、にっかり青江を好きになる人が増える!増えて下さい!
その日の深夜、いきなりよくわからないドロドロに覆われたヘドロ状態の死霊二体に急に寝込みを襲われて、『うわあー!こういった幽霊に憑かれたら、それを体から出すの大変なんだよぉ~!』そう考えながら、頭に思わず両手を当ててうつむいたところ。
急に周囲の気配が変わったので、思わず顔を上げると生霊のにっかり青江がスッと現れヘドロみたいな死霊を袈裟斬りに切り上げ、再びすうっと消えたんや。恐らく、にっかり青江に因縁のある死霊に襲われたんだと思うんやけど。不思議な事件やったわ、謎に自分が襲われた事も含めてな。
刀然り、鉄製品は霊体やエネルギーを切る波動を出しているから幽霊を切る事ができるのと、襲って来た死霊たちが日本刀で切られる事が生きる上で起こりうる時代に生まれた人たちであった事が幸いした。死霊は、にっかり青江に切られた事により完全に自分たちの死を悟ったらしく、その場から消え去ったんや。


そんな訳で、ワイの刀語りはこれにて閉幕。最後までお付き合い下さりサンキューやで!